■エッセイ『懐かしい時の空間物語』 記事一覧



 

温故知新
昔、3年連続でドイツ旅行をしたことがあるほどドイツが好きでした。いえ、今もとても好きな国の一つです。中でもとても記憶に残っているのがハイデルベルク。丘の上に立つ古城が美しくて、タイムスリップしたような感覚でした。その丘から見渡す赤茶色の屋根のならぶ街、そしてゆっくりとゆたかに流れるネッカー川も、思っていた通りの「これぞドイツ!」と思わせる美しい風景でした。

LAMYの本拠地がハイデルベルクであることにはおどろきました。あれほど無駄のそぎ落とされたシンブルなデザインと、古い建物と共存するあの都市との印象が私の中で噛み合なかったのです。

「2000年まで品質を保証する」という意味で名付けられ、1966年に初めて発売された「LAMY2000」。その2000年はもうとっくにすぎてしまったけれど、今もLAMYを代表するペンとして販売されています。

思いおこせば、古い建物を大切に継承し、また次世代に渡してゆくこと、環境対策にとても厳しく、森を、自然を守り子供達に渡してゆくこと、ドイツの人々はそうやって、今を生きる自分達も長い歴史の中の一つの通過点として、いつも先を見ているように思います。

LAMY2000のデザインもいつの時代にも無理なく風景にとけて、長く愛されるように作られたのかしら、と、思います。だからいつ見てもデザインが斬新なのかもしれません。
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